「オーガニックコットンマスク」回想録

コロナ禍の緊急性に応えて

もう4年以上も前のことになるんですね。
新型コロナウィルス感染症のパンデミックが起こり、
日常生活に大きな影を落としたのは。

感染のリスクを抑えるためには
ぜひ必要とされたマスク。
需要に供給が追い付かず、
手に入れるのが困難な状況になりました。

縫製工場として弊社にできるのはこれだ、と
とりあえず販売担当者たちによって
マスク製造の企画が動き出したのは
2020年の春先のことでした。

簡単なものはすぐに形になりましたが、
相談を受けた製造スタッフはすかさず改良を提案。

どうすれば、しっかり鼻や口を覆いながら
呼吸や会話が楽にできるマスクになるか。

どんな素材を使用すれば、肌にやさしいマスクになるか。
耳が痛くならない紐は？

どんなカラーバリエーションにすれば、
ビジネスシーンで使いやすいマスクになるか。
また、化粧崩れが目立たない裏地の色は…。

どのように強度を確保すれば、柔らかさを損なわず
なおかつ丈夫で洗濯にも耐えられるか。…などなど。

「そんなにこだわらなくたって、
ゴム紐を通して布を折れば、
マスクなんて誰にでも簡単に作れるでしょう」

確かに、そう。
でも、朝に家を出て一日人と交わって働く人が
なるべくつけっぱなしにできるようなマスクは
そんなに簡単には作れません。

数十分もつけていたら鬱陶しくなって
投げ捨ててしまいたくなるようなマスクなら
プロの職人が作る意味はない。

「このマスクが、ほかのよりは好きだ」
「このマスクでなきゃだめだ」とお客さまに選ばれるように
心を込め、最もよいと思われるアイデアを詰め込んで
大事に作ってお届けした、と、今も弊社が誇る商品です。

もちろん弊社は衛生用品の専門メーカーではありませんし、
それをめざすつもりは毛頭なかったのですが、
「使って心地よい縫製商材」を製造することにおいて、
妥協できない職人ぞろいだったわけです。

その心意気を汲んでくださったお客様方により、
発売初年だけで4000枚以上を売り上げ、
楽天のレビューでも高評価をいただいています。

パンデミックはもう懲り懲りですが、
心地よい布製品づくりの経験値とし、
ほかの製品にも生かしていきます。

もちろんマスクも「花粉症なので、春には使いたい」
「寝るとき使うと喉が痛くならないので愛用している」
など、今後も喜んで使って下さるお客様のため、
Jumou楽天市場店、または実店舗で販売しています。